保健指導向上委員会アンケート 保健指導のアウトソーシングについてどう思いますか? アンケート調査結果レポート!

受託編

回答から見えてきた「委託あるある◆

Q 現在の雇用形態を教えてください。

結果グラフ

実際に受託している方々から、雇用形態と委託元の名前を挙げていただきました。ちなみに正社員として雇用されている方が約3割。委託元としては、企業20社、財団5団体、医療機関4団体、医療保険者といった記載も複数ありました。地域限定の求人募集があることから回答を用意しましたが、地域限定の雇用形態と回答された方は、今回のアンケートでは少なかったです。

企業20社については、複数の方から同じ企業名が記載されており、俗にいう「大手アウトソーシング機関」から受託している方も多いようです。ただし委託元を複数記載してくださる方は約2割で、複数のアウトソーシング機関と契約している人はそれほど多くはいない印象を持ちました。

Q 保健指導実施者の報酬は働きに見合ったものですか?

結果グラフ

報酬については6対4と割れました。これは雇用形態と関係が深いようです。協力業者(請負)では、保健指導自体の報酬が人数または時間による換算なのか、交通費、通信費、面接準備や、書類の報告作成時間などが金額として反映されるかなども委託元によって違いがあり、見合った金額と考えるときの差となっているようです。

ただし協力業者と回答したなかでも、時間の融通や生活環境にあった働き方ができ、金額も一般の時給と比較すれば専門職としての金額であり満足というものもありました。

ちなみに月額報酬への回答は様々。雇用形態での違いに加えて、仕事の内容が「保健指導」であっても、個人面談、集団教室、初回面談、継続支援、非肥満対応、重症化予防、前期高齢者指導、また保健指導の企画・運営、健診業務と合わせてなど、保健指導の守備範囲が広く、簡易な「仕事内容と報酬」といったデータを示すことはできないこと、つまり保健指導の複雑さを再認識しました。

Q 契約・入社時の研修はありましたか? あった人へ研修はどのような内容でしたか?

結果グラフ

入社・契約時の研修は6割程度の機関で実施、逆にいうと4割の機関は研修なしということとなります。

実際の研修内容は、委託機関により差が大きいようです。法律的な話や業務手順という内容だけのところもあれば、保健指導のスキルアップとしてロールプレイまでするところもあるといった回答が寄せられています。

Q 契約・入社後の研修はありましたか? あった人へ研修はどのような内容でしたか?

結果グラフ

入社・契約後の研修は7割が実施しています。年に1〜2回、半日程度が平均的な回数のようです。研修内容は、在宅の方向けのeラーニングもあれば、講義型、ワーク型などもみられさまざまです。

研修の設問について、委託先が実施する研修内容についての回答を考えていましたが、予想以上に自主的に参加されている研修会についての回答が多数寄せられました。個人としてスキルアップをめざす姿勢を強く感じました。

Q 特定保健指導実施機関から、あなたが行う「特定保健指導」の指導内容について指示がありましたか(ツールの指定、独自の保健指導の手法等)。

結果グラフ

「はい」の回答が6.5割。これを多いとみるか少ないとみるか……。「はい」と答えた方によると、委託機関からの指導ツールの支給はもちろん、指導手順についてもしっかりとマニュアル化されている機関も多いようです。

マニュアル化されているからこそやりやすいという回答と、マニュアルどおりだけでは対象者にあった対応ができない、マニュアル自体が特殊な指導方法で違和感があるという回答などもありました。

Q 保健指導を行った際に、その保健指導に対する評価の仕組みはありますか?

結果グラフ

評価の仕組みのありなしは半々という結果です。半分はフィードバックがない状態ということとなります。

評価ありの内容については、「体重減少率」「体重の減量キログラム数」「対象者へのアンケート」「指導者側の自己チェック」「半年後の採血の結果」「保健指導完了率」「保健指導の分析報告」などの回答がありました。複数の内容からの評価は少ないようです。

Q  アウトソーシング機関それぞれの良い点・改善点を教えてください。

こちらは個々のアウトソーシング機関にたくさんのご意見をいただきました。

良い点の回答としては、

○委託元の対応
「本社スタッフの電話対応が丁寧」「従事スタッフが複数いるので相談できる」「必ず連絡がつく」「対象者の面談場所や事前データをきちんと提示してくれる」「家庭環境など考慮して仕事を割り振ってくれる」「日程の融通がきく」など。

○仕事の内容について
「必要な研修はほとんど参加許可がもらえ費用を負担してもらえた」「テキスト内容も年々充実してきて使いやすい」「保健指導の自由度が高い」「企画から最後の報告書まで全般に携われたので保健指導の事業全体がわかり勉強になった」など。

改善点の回答としては、

●委託元の対応
「保健指導者に対する相談体制、指導体制を整えてもらいたい」「研修費用を認めてもらえない」「仕事自体が少ない」「半年の継続支援まですべて一人で受け持つ体制はきつい」「タイムリーなアクションを期待する」「保健指導をよくするための『指導者の声』を汲み取ってくれず無視されていると感じる」「本社に医療専門職がおらず、指導者の視点がない」「保健指導の担当として雇用されたが保健指導の件数が少なく実際は健診業務のサポートがメイン」「こちらの個人情報が守られてない」など。

●指導者の費用や時間などの負担
「面談場所の設定や場所の予約を指導者がしなければならず負担が大きい」「出先での面談で喫茶店や高速を使用した場合、費用を支払ってもらえない」 「訪問後、相手の都合で面談がキャンセルになった場合も交通費を支払ってもらえない」 「指定されたテキストを使用するよういわれたがテキスト代がひかれる」「時間での金額設定なので面談の人数が増えると一人当たりの単価が下がる」など。

良い点の裏返しの内容が多かったです。また保健指導の現場での改善点としてかなり具体的な回答をいただきました。もちろん契約上の約束事もありますし、個人のとらえ方によることもありますが、一般常識として改善してほしいと感じることが多々あるように思われます。

※回答では実名をあげていただきましたが、今回のアンケート結果では公表は控えました。